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NHKドラマ『ちかえもん』の感想、不孝糖を探したくなった話

   

 遅ればせながら『ちかえもん』を観ました。

 人形浄瑠璃の名作「曽根崎心中」の作者”近松門左衛門”先生の話を藤本有紀さんが史実に基づいたフィクションとして書き下ろした作品となっています。じみ~な話かと思っていたら1話目から面白くて最後の7~8話は終わるのが恐ろしくて数日観るのを耐えてしまうほどでした。

 そんな素晴らしい作品の感想です。(あれっ白い犬、、↓)

tikaemon

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NHKドラマ『ちかえもん』の感想

 最近はHuluでウォーキングデッドやメンタリスト、CSI、HEROSなどなど荒々しいタイトルばかり観ていましたが、「あさが来た」や「真田丸」、そして「ちかえもん」とNHKドラマを見て改めて日本作品の素晴らしさに気付いた次第です。

 では感想、参りまひょ。

 ※以下、ネタバレ注意

 『ちかえもん』は2016年1月14日から3月3日までNHK『木曜時代劇』として放送されたテレビ時代劇です。

 まず”あらすじ”をWikiPediaから~。

元禄16年(1703年)、浄瑠璃作者・近松門左衛門は以前ほど作品が受けなくなり、堂島新地にある遊郭「天満屋」に入り浸っていた。自作を上演していた竹本座の客足は遠のき、座長である竹本義太夫や周囲から不満をぶつけられ、新作の執筆も一向に進まずにいた。そんな折、「不孝糖」なる飴を売り歩く渡世人・万吉と出会い、万吉は門左衛門を勝手に相棒とみなす。2人のまわりで起きるさまざまな出来事をきっかけに、門左衛門は、戦国の世が終わって百年が経ち、大衆の求めるものはこれまで通りの忠義を主題とする歴史物語ではなくなっていたことに気づく。万吉や周囲の人々に振り回されてゆくうち、門左衛門は徐々に創作意欲を取り戻してゆくのだった。

引用:ちかえもん – WikiPedia

 『ちかえもん』の魅力はテンポの良い台詞展開と役者さんたちの力量だと思いました。クドカンっぽいなと思う突っ込みは松尾スズキさんだからでしょうか、そういったアドリブに見える芝居が観る者を引き寄せます。徳兵衛は色々と不安になる出だしでしたが最後の変わり身は見事でした。

 また、万吉、お袖、お初といった主役級もさることながら、「天満屋」の主人と女将”高岡早紀さん”や「平野屋」の忠右衛門と助けた狸こと”喜助”まで記憶に残るキャラクターに仕上げられていました。

謎キャラ:不孝糖売り”万吉”

 万吉役の青木崇高さんがインタビューで”藤本さんのおもしろい世界の住人にまたなれるのならと思ってこのオファーを受けました。”(引用:NHK)と述べられていることからラストに明かされる姿が万吉の正体だったのかもしれません。

 しかし、黒田家久平次と取っ組み合いになったり、忠右衛門とも会話をしていることから実在したという筋書きもアリだと思います。実際に大ラスで歩いているシーンも登場しますし、、、。その一方で集団催眠または近松の妄想という線も考えられますね。

 結局のところ、作品の最後で万吉の”嘘のなにがあきまへんねん~”という語りが真実で、「フィクションなので堪忍な」という作者の声が聞こえてきそうです。

不孝糖とは何だったのか

 「不孝糖」のもととなっている「孝行糖」は落語の演目のひとつで、「食べさせれば子供が親孝行になる」という飴。その対照的な意味を持つ飴ということで登場します。

 「ちかえもん」を何度も見直したわけではないので間違っているかも知れませんが、記憶が正しければ「不孝糖」を食べた徳兵衛と お初、近松と お袖は幸せになれました。そして同じく「不孝糖」を食べた近松の母”喜里”が越前へ向かう決断をしたあたりから、その意味が自分なりにわかりました。

 「不孝糖」を食べなかった忠右衛門や久平次などは作中で近松が「自分の信念を持っているように思うが窮屈に生きている~」といったような話をしていたことも大きなヒントです。

 不孝について調べると「子として親に十分に仕えないこと」とあり、つまりは「あるがままに生きるか否か」それが親にとって望ましくなければ”親不孝”と捉える人間も存在します。もちろん”親不孝”のなかには単純な犯罪などもありますが「ちかえもん」に出てくるのは「自分にとっての大切なモノを選ぶ」ということでしょうか。

 地位や名誉ではなくて、好きなコトをするというシンプルで子ども時代にもらった飴のような存在だと思いました。

不孝糖を食べた人々は、、、

 不孝糖を食べた徳兵衛は「いきがい」に出会い、お初もまた仇討ちではない「安らぎ」に巡り会う、そして喜里に至っては”子不孝”という逆バージョンながら「思いやり」に気付くことができて近松を解放、近松は お袖のもとへ通い詰めながら気付けなかった「自分の居場所」に辿り着く、そんな解釈ができました。

Mr.childrenの「Candy」を思い出す

 ミスチル大好き人間としては「不孝糖」に近い作品を探してしまい、Mr.childrenの「Candy」(そのまま!)に辿り着きました。この曲はラブソングですが本質は「不孝糖」とかわらないのではないかと。

 どんな曲かと短く説明するのは心苦しいのですが「忘れたいけど想ってしまう胸の痛み/片想い」を”甘酸っぱいキャンディー”であったり”ほろ苦いキャンディー”が、まだ胸の中にあったんだと切なく歌い届けてくださっております。

 それが「ちかえもん」でダイレクトに表現されていたのが徳兵衛xお初組ですね。

 その飴は愛だけではなく、夢(願い/希望)であったりもします。何かを手にしようとすると犠牲は付きもので”不孝”と言われるかも知れませんが、それに出会えたのなら誰が何と言おうとも大抵、幸せなのでしょう。

「ちかえもん」まとめ

 徳兵衛xお初の心中について説明があったあとに皆さんが消えたことから何が真実か怪しくなったほか、久平次の朝鮮人参が不孝糖になったあたりからドタバタ感もありましたが、実力派の役者さんたちと「不孝糖」の旨味成分がコトコト煮込まれていて「ちかえもん」とても美味しゅういただきました。

 あ~、不孝糖たべたい!

 、、、

 、、、てな陳腐な結末は、わしのプライドが許さんのである!

 リンク:ちかえもん – NHK

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